「いのち」を守るためにTPP交渉参加反対の意思表示を投票で

TPP
 わが国が今月下旬に参加する環太平洋連携協定(TPP)交渉のこと、みなさんはどのように考えておられますか?よく「TPP?農業関係のこと?」などとおっしゃる方がおられますが、TPPは「2015年度までに農作物、工業製品、サービスなどすべての品目について、例外なしに関税その他の貿易障壁を撤廃する」ことを目標としています。ということは、TPPにわが国が参加することにより、農作物、工業製品、雇用、金融、保険サービスなど、私たちの生活の様々な分野に影響を及ぼします。そう、TPP交渉は、私たち国民の生活に直結した重要な交渉事なのです。
 特に私はわが国の医療に与える影響に大きな危惧を覚えています。私自身ががん患者であり、またがん患者の支援活動をしている者として、私はわが国がTPP交渉に参加することには反対です。
 わが国では「国民皆保険制度」により、質の高い医療をすべての国民が公平に受けることができています。しかしこの国民皆保険制度は他国からすれば医療産業の自由化の障壁とみなされ、撤廃を求められます。そして、「混合診療の解禁」「病院の営利化」「医薬品、医療機器、医療技術の価格高騰」が始まります。これまで「国民皆保険制度」によって私たち国民は「いつでも、どこでも、誰でも」「お金のあるなしに関わらず平等」に受けることができていた医療が受けられなくなり、いわゆる「格差医療」が広がることでしょう。つまり経済力によって受けることができる医療内容に差が出てくるのです。「お金のあるなし」によって、私たちの「命」が左右されるようなことを決して許してはいけません。医療先進国と言われるアメリカは、医療制度においては決して先進国と呼べるような現状ではありません。アメリカでは低所得者や高齢者、障碍者向けに「メディケア」「メディケイド」という公的医療保険があるだけで、多くは民間の医療保険に加入しなければならないのですが、経済状態から5000万人が無保険状態という大変な現状があります。この民間の医療保険は、どうしても利益優先になるため、受けられる医療に制限が出てきます。受けたい医療が受けられないこの現状は、これまで私が参加させていただいたアメリカやヨーロッパの患者会議や学会でも問題として取り上げられ、そのつど私は日本が国民皆保険制度であることに心からありがたいと感じておりました。
 これまでもアメリカは日本の医療を市場ととらえて、日本政府に対して市場化、営利化を迫ってきました。そんなアメリカのTPP加盟意義を考えただけでも、日本がTPP交渉に参加すれば、日本の医療制度はそのターゲットとなり崩壊することが容易に想像できるでしょう。
 安倍首相は「聖域なき関税撤廃が前提でない」と言われましたが、交渉の結果、「聖域」が認められる保証なんてないのです。たとえば、2012年12月からTPPに参加したカナダやメキシコは、先に交渉を始めたアメリカなど9か国がすでに合意した内容は原則として受け入れ、交渉を打ち切る終結権も再協議も要求できないなど、不利な条件を課せられていると言われています。それを見ても交渉の最終段階から参加するわが国は、他の交渉各国で合意された内容を、たとえわが国にとって不利益な内容であろうと全面的に受け入れざるを得ない状況になると容易に想像できます。またTPPでは国内制度をいったん撤廃、緩和すると元に戻すことは認められません。政府が国民のために制度を戻そうとするとISD条項によってわが国が多国籍の企業から損害賠償を求められるという事態がおこり、まさに、わが国の国民の命よりも外国企業の利益が優先されることも起こりうることでしょう。
 わが国の政府は今月下旬に合流するTPP交渉に関して、具体的な交渉方針をはじめとして、交渉の全体像を国民に明らかにしていません。いくら安部首相が「国益を守る」と記者会見をされても、その実現性は低いと思わざるを得ません。
 今、私たちが私たち自身の「いのち」を守るためにできることは、その意思表示です。私たち国民が「TPP交渉参加に反対する」意思を選挙で示すことがとても大切なことなのだと私は考えます。



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プロフィール

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1958年5月生まれ
府中中央小学校(安芸郡府中町)、府中中学校、広島県立観音高等学校
1981年 広島女学院大学卒業、
    卒業後住江織物蟠侈
1985年 大阪市立中学校教諭
2003年 乳癌患者友の会「きらら」
    理事長
この頃から「医療=患者+医療提供者+行政でつくるもの」というコンセプトを基に、本格的なピンクリボン活動に奔走。がん検診啓発キャンペーンなど様々なプロジェクトを実践していく。
2008年 広島大学大学院
    総合科学研究科非常勤講師
   (〜2011年)

<家族>
夫、実母
<趣味>
おいしいものを見つけて食べること
花の写真を撮ること
<好きな言葉>
「明日はきっといい日」

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書いた記事数:46 最後に更新した日:2014/07/30

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