第14回きらら乳がんフォーラム

7月6日に「NPO法人乳がん患者友の会きらら」主催で開催された「第14回きらら乳がんフォーラム2013〜乳がんになってから知っておきたいこと」の動画をYouTubeにアップしました。
きららのホームページからご覧いただけます。

以下に個別のYouTubeのアドレスを貼っておきます。

1. 開会挨拶 3分30秒 
  http://youtu.be/LrRRb5vzCso
  中川 けい NPO法人乳がん患者友の会きらら 理事長
  取り立てて何でもない挨拶なのでご覧いただくには
  恐縮です・・・(笑)

2.乳がん治療の変遷について教えてください 13分1秒
  http://youtu.be/maDGj4mvqbg
  檜垣健二先生
  (広島市立広島市民病院 副院長、乳腺外科 主任部長)
  稲田陽子先生
  (中央通り乳腺検診クリニック)
  檜垣先生のウィットにとんだコメントと稲田先生のパッションに
  溢れるコメントをご覧ください。

3.初期治療の薬物療法の決定は何をもとに行うのか教えてください
   26分36秒
   http://youtu.be/LHqHcyEB_fQ
  講師:香川直樹先生(香川乳腺クリニック 院長)
  香川先生の癒されトーク。初期治療は何をもとに決定されるかを
  わかり易く説明していただきました。
  増殖能の説明のスライドあたりでは、会場が笑いに包まれました。

4.初期治療のホルモン治療は何をどれくらい行うのですか 24分8秒
  http://youtu.be/e-MlKAReyko
  講師:大谷彰一郎先生(広島市立広島市民病院 乳腺外科 部長)
  いつもながら大谷先生のお話は、楽しく、テンポよく!
  ホルモン療法について楽しくお勉強できました。
  Q&Aコーナーは、広島の林家ペーパーこと、大谷先生とわたくし
  中川けいとの掛け合い漫才ではありませんので、念のため(笑)

5.ホルモン療法の副作用と対処法を教えてください 30分47秒
  http://youtu.be/VLi_PDP3mOU
  講師:高橋譲先生(中国労災病院 乳腺外科 部長)
  ホルモン療法を受けている乳がん患者さんは多いですが、
  一番気になるのが副作用。対処法まで教えていただきました。
  Q&Aコーナーでは、高橋先生のダイエットの秘訣まで伝授して
  いただいています。

6.乳がん体験談 18分53秒
  http://youtu.be/4XykybvsOY4
 (8年無事に過ごした方、再発した方、若年性乳がんの患者さん)
  彼女たちのポジティブな気持ちに、多くの方が勇気をもらえたと
  思います。 会場は、共感と感動に包まれました。
  体験をお話しくださった3人のきららさんに、敬意を表します。

7.初期治療の化学療法の種類と副作用、対処法を教えてください
  25分38秒
  http://youtu.be/7Ak3ou5ffGE
  Q&A化学療法に関する質問を取り上げます
  講師:角舎学行先生(広島大学病院 乳腺外科 講師)
  幅広い乳がんの化学療法についてコンパクトにまとめてご説明
  いただきました。

8.再発・進行がんの治療について教えてください 23分17秒
  http://youtu.be/B1uU87Y3lik
  講師:池田雅彦先生(福山市民病院 乳腺甲状腺外科 統括科長)
  池田先生の「科学を信じてください!人類の英知を信じて
  ください!」
  の決め台詞に勇気をいただきました。

9. 骨転移について教えてください
  今話題の遺伝性乳がんの遺伝子検査について教えてください
  26分23秒
  http://youtu.be/ZPmA5Ggxvds
  講師:大原正裕先生(県立広島病院 乳腺外科 部長)
  大原先生はとても緊張されたとのこと。大原先生は私ががん
  告知を受けた時、研修医でした。
  この13年で、大原先生も素晴らしいドクターになられましたし、
  私たち「きらら」もよく頑張りました(自画自賛・笑)

きららのフォーラム開催に関して、ご協力くださった先生方、ボランティアスタッフのみなさん、ご協賛くださった企業様、聴講してくださったみなさん、心より感謝申し上げます。 ありがとうございました。
 フォーラム


乳がん患者がつくったピンクリボンビル(5周年によせて)

ピンクリボンビル
 2008年6月に広島市中区三川町にオープンした「ピンクリボン39ビル」。先月でまる5年となりました。オープン当時、「患者が企画した医療ビル」として、マスコミなどから大変多くの取材をいただきました。
 この企画は、乳がん患者友の会きららの会員さんを中心に、乳がん患者が必要と考える「信頼の医療体制」や「医療環境」をカタチにしたもの。病院や病気とどう向き合うか、どんな環境が望ましいか、何が必要だったかなど、「乳がん」を体験したからこそわかること。ハード・ソフトの両面で「専門性」「信頼性」「安心」の全てを兼ね備えた医療施設があればいい、そんな乳がんと闘ってきた女性たちの声から誕生したのです。
 多くの女性たちが「乳がん」への不安や関心を持ちながらも、どこの病院へ行けば良いのか、どこの病院なら安心して信頼できる検診を受けられるのかご存知ないという現状がありました。この医療施設に行けば病気の不安に応じてくれ、信頼して専門的な検診・治療が受けられる、そんな女性たちの思いをカタチにしたピンクリボンビルをつくることは、単なる乳腺専門の医療施設をつくるのではなく、女性のために安心して信頼できる医療環境を提供することになると考えました。またピンクリボンビルを私たち患者が企画し、つくることによって、そこは乳がん検診の大切さを多くの人に伝える発信基地となるはずだと希望を持ちました。
 この企画を事業化するに当り、日頃から行っているピンクリボン活動(乳がんの早期発見・早期治療を啓発する活動)や、患者さんに情報を提供する「きららピンクリボンフォーラム」などの活動に加え、患者さんや検診者にアンケートを実施するなどして多くの女性たちの声やデータを収集しました。企画のポイントとして、以下のようなことを考えました。
   ・乳がんの専門的な検診・治療が受けられる。
   ・検診から治療までが、同じ施設の中で可能である。
   ・利便性に優れ、来院しやすい立地条件。
   ・医療だけではなく、メンタル面もサポートできる環境。

 検診においては、まず受けやすい環境でなければならないと実体験からも感じていました。「検診」の必要性を認識しながらも、先送りにしてしまう「検診」。そんな検診への敷居の高さを取り払うこと。「女性のドクター」が適任であると大学病院の外来で実施させていただいたアンケートの結果からもわかっていました。ただ女性のドクターであれば誰でも良いというのではなく、「検診」に「情熱」を注いでくださるドクターでなければなりませんでした。私の頭には、稲田陽子先生しか思い浮かびませんでした。当時稲田先生は九州がんセンターに赴任しておられました。久しぶりにかかった私からの電話に、稲田先生は大変喜んでくださり、私が再発後も元気でいることを安堵して下さいました。そして、私が近況報告に続けて、「先生、私たちと一緒に検診クリニックをつくって下さいませんか」と言うと、たいへん驚かれました。開業などまったく考えておられなかった稲田先生ですが、私たちの熱い思いを受け入れて下さり、ご開業の英断をして下さいました。
 治療においては、その専門性はもちろんのこと、私たち患者の心に寄り添って下さる、信頼できる乳腺医療を実践して下さるドクターでなければなりませんでした。2007年当時、香川直樹先生は、県立広島病院で乳腺医療に取り組んでおられました。その香川先生のもとへ、フォーラムのポスターをお届けするため、診療終了後の遅い時間に外来をお訪ねした際、私は思い切って「先生、私たちと一緒に、患者の心に寄り添う乳腺クリニックをつくって下さいませんか」とお話しました。おりしも夕立が来て、急に激しく雨が降り、雷が鳴り響きました。香川先生は、その雷にうたれたかのように、私の言葉に驚き、まじまじと私の顔をご覧になりました。しかし、やさしく、静かに私たちの熱い気持ちを聞いて下さったのでした。

 こうしてつくりあげたピンクリボンビル。稲田陽子先生が院長の「中央通り乳腺検診クリニック」と香川直樹先生が院長の「香川乳腺クリニック」。この二つのクリニックを併せて「広島ブレストセンター」と位置付け、基幹病院とも連携することにより、地元広島で「乳がんの早期発見」を啓発し、「乳がん検診」を受けやすい環境を提供するために、検診から治療、メンタルケアにいたるまで、トータルにサポートできる医療施設が誕生したのです。最近では、全国各地で、乳腺の検診や治療を専門とする施設も増えてきましたが、「広島ブレストセンター」は単に女性ドクターや女性スタッフが検診を行うだけではない、他の施設とは「似て非なるもの」と自負する、乳がんを経験した患者さんたちをはじめとした女性たちの声から誕生した医療施設なのです。
 この二つのクリニックを併せた「広島ブレストセンター」で、この5年間に乳がんと診断された症例数は、約800例にのぼります。また中央通り乳腺検診クリニックのマンモグラフィ検診での発見率は0.76%、陽性反応的中度は11.1%で、他と比べて非常に高い精度を誇っています。
  5年前にご英断して下さった香川直樹先生と、稲田陽子先生に心から感謝を申し上げるとともに、日々、研鑚を重ねてゆかれているお二人の先生に敬意を表します。また私たち患者がつくった企画に賛同して下さり、「社会貢献となるなら」とビルを建てて下さった女性オーナー様にも、心より感謝しております。
 ピンクリボン39ビルには、2010年に永井宣隆先生が、広島女性クリニック(婦人科一般)を開業して下さり、これにより同じビル内で乳がん検診と婦人科検診が受診できるという、多くの女性が要望していた形になりました。私たち「乳がん患者友の会きらら」は、このピンクリボンビルが到達点ではなく、スタート地点だと考えています。患者さんのために、女性の健康を守るために、次のプロジェクトへむかって発進!!


大橋先生

 いっちゃんは、複数のがん、再発を経験しながらも強く乗りこえ、いつも明るく、がん患者さんの支援活動を続けて下さっている女性。そのいっちゃんが、いつもとは明らかに違った、困惑した声で電話をかけてきました。がんではない別の病気で、主治医から「このまま徐々に数値が悪くなり、あと10年ぐらいかな」と言われたとの事。余命宣告?寿命が10年なの?いっちゃんは主治医との会話を冷静に私に伝えようとしますが、声は震えています。
 私の頭にすぐに浮かんだのは大橋先生のこと。いつもながら無理をお願いし、いっちゃんは検査結果等の資料を持って大橋信之先生の元へ。本当は後の予定があって多忙でいらっしゃったのに、丁寧にいっちゃんにご対応くださいました。
 いつもいつも大橋先生には、たいへんなときばかり頼ってごめんなさい。さちこさんの時も、かよちゃんの時も、その他たくさんの患者さんのこと、フォローして下さってありがとうございます。私が感謝を述べると、大橋先生は「困ってつらい思いをしている方がおられるなら、その方の為に全力を尽くす。それが自分の目指す道です。」とかっこいいことを言いながらも、そのあとに「と、偉そうなことを言いながら、たいしたことはなぁ〜んにもしてません。」と照れ隠しの一言を付け加えられました。そういえば10年近く前、まだ大橋先生と知り合う前に、当時製薬企業に勤めていた、現在はNPOキャンサーネットジャパンの事務局長の柳澤昭浩さんが「広島には、大橋先生という真のオンコロジストがいる」と教えてくれたことがありました。その時、手帳にしっかりと名前をメモしておきましたが、数年後に別人から紹介された時は、その偶然に感謝しました。大橋先生の診察を受けた後のいっちゃんは、冷静さをとりもどし、いつものポジティブないっちゃんに戻っていました。いつも大橋先生との会話では「医の良心」という言葉を思い出します。今日は100万回、大橋先生にありがとうを言いたい、そんな気持ちの日。

大橋先生

人工乳房の保険適用に思う

新聞記事

 12日に開かれた厚生労働省の中央社会保険医療協議会で、乳がんの全摘手術の乳房再建に使用する人工乳房の保険適用が認められました。
 もちろん国内では初めてのこと。昨日の新聞の一面にも「人工乳房に保険適用」の文字が躍りました。
 これまで医療者、患者さんなど多くの方が、再建手術の保険適用の承認に向けて、たいへんな努力をされてこられました。このニュースは、多くの乳がん患者さんに朗報となりました。
 ただ残念なのは、今回保険適用が認められた人工乳房はアラガン社のラウンド型(円型)だけ。形状や材質がより自然に近いアナトミカル型(しずく型)は、まだ承認申請中とのこと。最近の乳房再建で最も多く使われるというアナトミカル型が承認されなかったのは、厚労省が安全性を慎重に慎重に考えているから?それとも価格収載の折り合いがつかなかったから?など、いろいろと考えてしまうけど、患者さんが納得して治療が受けられるように、一日でも早く承認されることを願うばかりです。
 乳房再建は、乳がん治療のひとつの過程です。乳がんという大変な病を患っているのに、これまで自家再建には公的保険が適用され、人工乳房には適用されなかったというのは、本当におかしな話です。
 先日話題になったアンジェリーナ・ジョリーさんが受けた遺伝性乳がんの予防切除の件も含めて、一日も早く乳がん治療の選択肢が広がることを望みます。とはいえ、今回の人工乳房の公的保険適用は大きな一歩であるのは確かです。公的保険が適用されるよう力を注がれた関係者のご努力に
(私たちも署名運動とかがんばったし)、心から、敬意を表します。


アンジェリーナ・ジョリーのニュースに思うこと

 米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、乳房の予防的切除を受けたことを発表してから約1ヶ月近くたちました。まだまだこのニュースはみなさんの関心が高いようです。
 昨日6月6日、朝日新聞の朝刊にもとりあげられ、私のコメントも載せていただきました。
 今回のアンジーの告白に関して、私はまず、その勇気を称えたいと思います。女優という職業から考えても、ともすればマイナス要因になるかもしれない乳房の切除と再建をあえて告白し、乳がんへの関心を高めたことは、賞賛に値すると思います。彼女は寄稿した動機を「私の経験が他の女性の役に立てばよいと思ったから」としています。「全ての女性が、こんな選択肢があることを知ってくれれば嬉しい。」とも語っています。がんに罹患したことを公にすることがまだまだできない現実があります。確率からすれば、がんに関係ない人などいないはずなのに(患者本人であったり、家族、友人であったり)、がんという病気は特別な病気のようにあつかわれます。特に女性特有の乳がんは、女性のシンボルである乳房にメスが入るということで、本人の心の痛みはもちろんのこと、時として他人から好奇の目で見られ傷つくことも多々あるのです。そんな中、アンジーの勇気ある行動に勇気付けられた人も多いでしょうし、「乳がんなんて他人事」と思っていた人たちに、乳がんについて考える機会を与えたことは、大きな功績であると思います。パートナーのブラッド・ピットの声明もすばらしいと感じました。「彼女は手術のことを秘密にすることができたが、そうしなかった。」「彼女や彼女と同じ立場にある多くの女性の決断を、とても勇敢なものだと思う。」と、アンジーを賞賛しています。こうして大きな反響を呼んだアンジーの告白でしたが、残念なことに、アンジーの真意や、乳がんの予防的切除に関する情報が正しく伝えられていないケースが発現してしまいました。健康な乳房を切除することに対する批判と誤った乳がん情報。なかでも私が気になったのは、乳がんの怖さを知らない人たちが安易に「乳房切除なんてこわ〜い」と、インタビューに答えていたことでした。再発乳がん患者の私からすれば、「乳がんになる方がもっと怖いよ」というのが正直な気持ちです。ただだからと言って、私が積極的に予防的切除を推奨しているわけではありません。何をどう選択するかは個人の権利であって、本人が正しく理解したうえで、自己決定したのであれば、それで良いと思うのです。問題はこうした情報が正しく提供されていない現状と、また専門のカウンセリングを受けることができる体制ができていないこと、加えて検査、切除手術、再建手術が保険適用にならないことです。遺伝子検査や、乳房の予防切除は、そのリスクがある人たちにとって、命を守るための大切な選択肢です。また、あわせて乳がんの患者さんの全てが、この遺伝子検査の対象であるわけでもないことを理解しておかなければなりません。一躍、遺伝子検査と予防的切除が取り上げられたために、正しい理解をせずに、むやみに不安を持った患者さんも多いので、その点を注意していただきたいと思います。そして私が一番訴えたいのは、何よりも、医療環境の充実です。予防的切除で守られる命があるならば、そういう選択ができる環境がなければならないでしょう。しかしながら、我が国の現状はまだまだそういう状況にはありません。医師不足、そして歴然と残る医療機関格差。また、今回の予防的切除に関して言えば、遺伝子検査と手術に対する公的医療保険の適用や、患者家族への正しい情報の提供と充分なカウンセリング体制など、取り組まなければならない課題はたくさんあります。正しい情報を患者が入手し、理解したうえで、自己決定できる環境づくりがぜひとも必要であると思います。私も、しっかりと声をあげ、行動していきたいと思います。救えるはずの命を守るために。


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プロフィール

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1958年5月生まれ
府中中央小学校(安芸郡府中町)、府中中学校、広島県立観音高等学校
1981年 広島女学院大学卒業、
    卒業後住江織物蟠侈
1985年 大阪市立中学校教諭
2003年 乳癌患者友の会「きらら」
    理事長
この頃から「医療=患者+医療提供者+行政でつくるもの」というコンセプトを基に、本格的なピンクリボン活動に奔走。がん検診啓発キャンペーンなど様々なプロジェクトを実践していく。
2008年 広島大学大学院
    総合科学研究科非常勤講師
   (〜2011年)

<家族>
夫、実母
<趣味>
おいしいものを見つけて食べること
花の写真を撮ること
<好きな言葉>
「明日はきっといい日」

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書いた記事数:46 最後に更新した日:2014/07/30

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